アレクサンダー・テクニック〜レッスンを受けるにあたって〜
私はアレクサンダー・テクニックの先生ではありませんが・・・
「生徒として」レッスンの受け方に気をつけるべきことを書いておきます。
ここでは、「メトード」または「レッスン」と読んでいきたいと思います。
主役は自分 先生を変える なぜレッスンを受けるのか 関節リウマチの方へ特別に呼びかけ
理由はいう必要ありません パフォーマンスに役立てたい方へ まがい物にご注意を
これは、現在の私にとって、とても楽しいものです。いろんな意味で役に立っているといえます。
「自分はどうしたいのか」「主役は自分」であることを忘れないでください。私のように、勧められてなんとなく始めるのも、悪くないと思います。最初は、よくわからなくて、なんとなくやっていても、そのうち、何かつかめるかもしれません。でも、何か解決すべきことがあるとき、それを先生にゆだねたり、「頼って」いたり「期待」するだけでは、あまり発見することはないかもしれません。からだに無駄な力が入ってきたら、別の出口を探しつつ・・・どうぞ、ご自分に「興味深く」いってらしてください。
「暇つぶし」の「講座めぐり」(レッスンツーリストと呼んでいますが)は、あまりお勧めしませんが、それでも、何が起こるかわからないもの。
何か開眼されることがあるかもしれないならば・・・。Why not?
先生と気が合わなかったら、やめること。「誰にでも合う」先生って、どんな人?誰にでも相性があります。
「紹介してくれた人や先生に「悪いから」と、「気をつかって」「義理で」「無理に」続けることはありません。
「悪いから」「気をつかって」「義理で」「無理に」レッスンすると、からだに力が入ってしまいますよ。先生もおわかりになることでしょう。
先生の生年月日を尋ねて、星占いの本を探さないように。あくまでも「ご自分で感じたこと」を大事にしてください。
でも、レッスンの内容でよくわからない、ということがある場合は、まず先生に質問をしてください。
うまくいえないかもしれないけれど、それでもいいんです。そんな質問を突っぱねる先生は・・・いらっしゃらないと思います。
もしその答えに違和感を感じたら・・・それは、変える理由になりますね。
そして、お別れの理由は何でもいいのです。
「予定があわなくて」「忙しくて」でよいのです。わざわざ律儀に「あわないみたいだから」と宣告する必要はないのではありませんか?
ただし事前のキャンセルは、きちんと行ってください。ぎりぎりのキャンセルは誰にでもありうることです。けれど、その1時間は、先生の貴重な時間ということもお忘れなきようにお願いいたします。キャンセル待ちの生徒さんがいらっしゃるかもしれません。
私の場合は、「歌のために」がきっかけでした。アレクサンダー氏が舞台の人だったためか、このメトードは、演奏家、ダンサーにも、とりいれられています。舞台上に、そのからだを通して出てくるものがちがってくるからです。舞台に立つ機会が少なくても、歌っておられるのなら、そこにプラスになることはあるでしょう。趣味の楽器の方にも同じことが言えます。
しかし、世の中、一般的には舞台関係者ではない人の方が多いと思います。そんな方にも、アレクサンダー・テクニックはおもしろいものなのです。身体に問題がある人はそれを理由にしても良いでしょう。肩こりでもいいのです。そんな症状がなくとも、自分のからだの中でおきていることを、いつもよりもっとのぞいてみてください。あれ、こんな私がいたっけ?と、おどろくこともあります。自分探しの永久の旅に出発するチャンスなのかもしれませんよ。(ま、そんなにかっこつけることは必要ないですが)
私は関節リウマチですが、これは、直接レッスンを続けている口実にはなっていません。でも、「間接的に」やってよかった、と思います。
からだを通して、しみじみと感じます。関節リウマチが膠原病であり、まだ完治のめどが立っていない以上、「治る」ためのレッスンではありません。しかし、からだの使い方には各自、癖があります。ご自分でも「悪い癖があって、どこそこが痛い、痛みやすい」という自覚していらっしゃる方も少なくいと思います。「癖だから」とあきらめないでください。自分を知ることで、からだの使い方が変わってきて、そんな痛みが減ったりするかもしれません。(もちろん基本の大事な治療は続けてください)
からだの痛みだけではありません。私の場合、よく「関節リウマチにはよくない」といわれる「ストレス」チックな場面に出くわすと、途端にからだが硬くなります。歯医者の治療を思い浮かべてください。ホラー映画を思い浮かべてください。ちょっと、かたまりませんか?緊張しませんか?
そんなときにも、「あー、ちからはいっちゃったねー」と思いながら、からだの力を抜くことは可能なんです。歯医者には、役に立ちますぞ。
診療中の緊張を逃し、診療後の疲れ方が減ります。
歌のレッスンを受けるのなら「どうしてレッスンに来るんですか」と先生にたずねられても困りますね。「歌いたいから」なのですから。
しかし「レッスンでどんなことをしたいですか」「どんな曲をうたいたいですか」という質問だったら、答えやすくなります。
歌なら「歌のレッスンって、どういうことをするのか知りたいから」でも良いのです。
さて、アレクサンダー・テクニックだったら・・・理由や目的をきかれるのかどうかは、知りません。私の場合は、そういう経験はありません。“偶然“歌のことを思って始めましたが、”からだをよくすれば“歌にいいだろう、という思いのほうが先でした。今の先生は、私が歌手であり、声楽講師であるということはご存知でしたが、別にそんなことは関与せずに、レッスンをはじめました。病気もちです、と言い出したのは、私の方からです。レッスン上「手首が曲がらないため、外部からかかる無理な力による痛みを恐れることがある」ことを知らせたかったからです。また「手の手術があるので、お休みします」という宣言のためでした。それに対する「効果」ということは、あまり考えていませんでした。
関節リウマチは、全身に炎症が起きます。人により、その炎症が「関節炎」というかたちででてきます。私の治療は今のところ順調で、特に痛い関節、というのがほとんどありません。でも、ときどき「おかしくなる関節」はあります。ですから今は、私のほうから「こんなときがあるんだけど、うまくいかない感じがする。どうしたらいいのかな?」という質問をすることがあります。
なにかあったら、「自分から言いたくなるとき」が来ると思います。無理に言う必要もありません。
「ストレス」という意味では、精神的につらいことがある場合にも、固まったからだをほぐすことができるかもしれません。でもメトードは「奇跡」ではありません。先生に「頼って」も、ご自身を掘り下げられるのは、ご自分しかいません。
どんな病気でも、長期の薬物治療が必要な場合は、決して中断なさらないでください。
また、落ち込みの原因がはっきりしている場合、原因から変えていかないと、難しいこともあると思います。すべて解決できるとは限りません。精神分析みたいになってきました。私の専門ジャンルではないので、切り上げます。
「可能性がゼロとは限らない」という意味で、レッスンを受けてみる思い価値はあると思います。ただし「前の精神科医は、気に入らなかった。今度の先生は私を治せるか!?」という類の「先生のお試し」は、お勧めしません。
かわることがあるのなら、それはあなたの内部から来ると思います。
アレクサンダー・テクニックは、聞こえる演奏や演技・ダンスの見た目だけに役にたつものではありません。毎日使えます。ご自身の変化にお気づきになりますか?そうしたら、ますますおもしろくなります。
まがい物にご注意を
というのは冗談ですが・・・アレクサンダー・テクニックの正式名称は・・・残念ながら?ないようですし、これからも、ないかもしれません。各自の先生が名づけられていることもあります。また、他のボディワークその他を取り入れられている場合もあります。総合的にからだに関することとして、独自に名づけていらっしゃる先生もあります。
アレクサンダー/アレキサンダー
テクニック/テクニーク
というのが、今のところ、見かける表示です。インターネットでの探索に、お役立てください。
ほんの小さな違いですが、探索には便利です。私は、個人的に、私の先生の使われるメトード、というのが、気に入っています。メトードというのは、「練習法」ということに過ぎません。つまり「そういうやり方」もあるよ、という感じだからです。
レッスンを行っていらっしゃる先生方は、それぞれ訓練をつんでいらっしゃいます。学校がありディプロムがあります。日本、アメリカ、イギリスなど、それぞれ、いろいろな箇所でディプロムを受けていらっしゃいます。レッスンのアプローチも、各自、違うことでしょう。日本では、呼び名も同じにはされていません。
私がこんな風に“呼び名“に固執する理由は、病気名のせいです。たとえば、関節リウマチと「リウマチ」との区別がわからない方は多いです。患者自身も知らないことがあります。「リウマチなんて病気じゃない」と勘違いされていることもあります。勘違いされるくらいですめばよいのですが、本当は「関節リウマチなのに「リウマチ」だと思われて、「痛いくらい我慢せい」と叱られて辛い思いをする人、正直に我慢して病状を悪化させ、寝たきりになりかかる人がいます。また、これを逆手にとって商売し、うまい汁吸っている場合があります。宗教まがいに惑わされることだってあります。そういう場合に限って偶然みたいにリューマチ、と書いてあります。(今後はわかりませんが)小文字にはご注意を、と言いたいくらいなのです。けれども、病気を知らない人には「リューマチ」で当たり前の世の中です。イタリアかイタリヤ程度のちがいですから仕方ありません。でも、せめてここを読んでいらっしゃるあなたには、できれば知っていてほしいのです。話がずれてごめんなさい。
(くわしいことは、私の関節リウマチサイトをご参照ください。)
とりあえず、アレクサンダー・テクニックには、日本で決まった名前はないです、と言うお話でした。
私は、ある期間にわたる個人レッスンをお勧めしたいです。日本でのレッスンも、他のレッスンを知らないのですが・・・
これは、自分にじっくり向き合いたい場合には適しているかもしれません。上記のように、先生は、他のさまざまなボディワークを併用される方、音楽家、ダンサー、と、いろいろなバックグラウンドをお持ちです。
そして、レッスンとはいえ、先生とはいえ、一人の人間と向き合っているということをお忘れなきようお願いいたします。先生は神様でも医者でもありません。そういう専門家がアレクサンダー・テクニックを教えているという場合を除いて。神様はいないか・・・・
なんにでもいえることでしょうが、レッスンを始めたら、ある程度は続けてみてください。
始めは「????」でワンレッスンが終わるかもしれませんが、そのうちに、きっといいこと、あります。
今、ものすごく多くのテクニックなり自己啓発法とか、なんだかいろんなものがあるようですね。ボディワーク、体操にもいろいろあるようです。他のものは、私は具体的にはぜんぜん知りませんし、習っていません。でも、今はいいのです。すでに探し物がいっぱいあるからです。落し物もあるかもしれません。拾ったら得なこともあります。でも、それらがすべて「アレクサンダー・テクニックのおかげ」かどうかは、わかりません。私は、それだけで生きているわけではないからです。生活環境を変え、家族が変わり、性格も変わったかもしれません。年をとって、まるーくだか、逆にとげとげかわかりませんが、確実にかわっているでしょう。確実に昔とかわっていないこともあるでしょう。矛盾していますが、そういうもんだと思います。
今日の私は、昨日の私ではないし、一瞬先の私は、もう、今の私ではありません。まったくベツモノではないけれど、刻々、変化しているのです。老化でもけっこうです。
そうでなくて「毎日が一緒」と思えても、それは「そう思える」だけで、実は、それでも「動いて」いるものがあるのです。