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フレンチ声楽教授国家資格試験のお話

 

その1 準備講座  内容 

 

その2 受験 今現在

 

 

準備講座

フランスにはいろんな音楽機関があり、いろんな講座を提供しています。アソシエーションをベースとする学校という形や、講習会になっているものが多いです。

その中に「声楽教授国家資格受験準備講座」なんていうものがありました。毎年その宣伝を見かけては、とてもとても気になっていました。内容は豊富そう。しかし、当たり前ですがフランス語の授業。そんなもん、無理じゃん。音楽学校はなんとか終えたこの不思議。でも実技が主だから・・・と言い訳(^_^;) 2年間にわたる講義、もりだくさん。声楽史、声に関する医学(!)、教授法・・・うわわわ・・・プログラムをみるだけで、興味はしんしん、しかし・・・腰が引けます。いつかでも、やらなければいけないのではないか?挑戦すべきではないのか? いつ?いったいいつ?いつよ!?

 

私がみつけたのはパリ市内で行われる講習会。パリ郊外でも似たような「国家資格“準備校”」を見ましたが、こちらは完全に「学校」で、無事卒業試験に受かれば、=国家資格、というものです。この学校の傾向を観察していると、楽器の人には向いているのですが、声楽には的がしぼられていないような気がします。入ってないのですから、詳しくはもちろん分かりませんが・・・入るのも、もちろん受験あり。器楽的音楽分析などすっかり忘れた身には、とてもとても・・・それに、フランス語では分析は勉強していないのですから、たちうちできません。講習会の方は、勉強や準備はするが、国家資格には、各自であらためて申し込み、受験せねばならないというものでした。

 

国立の音楽学校では、このもうひとつ上の格の資格を取れるコースがあるとのこと。国立は2校しかなく、詳しいことは知りません。同じく、コース無事終了=資格進呈、なのです。ところが、この学校の卒業生が受験してみたものの、とても難しいということでした。優秀な成績(つまり首位)で卒業したのに、卒業から年数がたっているので、実技試験まで義務付けられたのだそうです。ですから、現在在学中の学生には向いているのかもしれませんが、いったん外部者になってしまうと・・・・・・冷たいもの、というのか、厳しいと言うのか。でも、受験内容や、勉強内容を聞いて、ちょっとフクザツな気持ちにもなりました。なんだか、実践よりも理論を追求しているようにも見られたからです。もちろん印象だけなので、わかりませんが。

 

なかなか受講を決められなかった理由のひとつは、“準備したって、外人は不利だろう、受かるわけないじゃないか”・・・と思っていたから。「自由・平等・博愛」のスローガンの美しいフランスですが、近年(というか、かなり前からの)の失業の状況を見ていると、何事につけても、同等なら、いや、同等でなくとも、フランス人優先で、当然なんじゃないのか? 国家資格だから、なおさら差別されるのではないか?

・・・・と思うような現実だからです。もちろん、勉強する自信もありませんでした。

 

こうして申し込みを何年も見送っていましたが、やっと決めました。講座の中に、声楽個人レッスンが含まれているというのも、決め手になりました。出産後、声の出が悪くなったので、レッスンも受けたい。授業料が、全部いっしょくただから、レッスン代を別に出さなくても済む・・・という、せこい理由です。講座に参加するのには試験やら、今までの履歴など、さまざまな条件がありましたが、なんとかなりました。あとから考えてみればそれは全て、実際に受験する際の条件でしたから、意味のある条件だったのです。

 

 

内容

 

内容は、実際の国家資格受験科目に沿っています。

 

朝は、さわやかに音楽史で開始。ある時代・あるジャンルの専門家、という大学の先生などがいらっしゃいます。ノートをとりたくても、関節リウマチで手が痛くておもうようにいかない。それでも、少しはなんとかついていきました。すでに知っていることはなんとかわかる。あとの知らないことは、聞こえた単語をピックアップして自分で調べるしかない・・・でも、ギャー・・・

 

午後はグループで教授法。何をするかというと、受講生が、モデルの生徒に、10分ほどの模擬レッスンをするのです。他の受講生はそれを観察し、感想を述べる、また、テクニックとして間違っていることがあれば、受講生(または先生)がそれを指摘・質問し、先生は、どう改良すべきか、正しいかどうかを明確にしていく、というもの。

国家資格の受験には、30分の模擬レッスンがあります。受講生は、すでに舞台を多く踏んでいる声楽家も、すでに指導経験をつんできている人もいます。だから、“指導者を指導する”我らの先生は、1から10まで説明をするわけではありません。何か、「まずいとき」=「理論的に間違ったことをいっているとき」に、特に説明が登場します。

声楽を教える側にもいろいろあり、間違ったことを教えられている場合もあるからです。

 

深くは語りませんが、ええっ?という発見がありました。

うそ、信じられない、というくらい、一体今まで(20年間以上か・・・(-_-;)

何をしていたんだろう?何を教わってきたんだろう?

あるいは、何かを自分で勘違いしていたのだろうか?ということでした。

 

それにしてもこの授業「今日はだれがやる?」といわれてから「じゃ私が・・・」というまでが、つらかったこと、つらかったこと・・・もちろん皆おなじようで、毎回一瞬天使が通り過ぎます。

だって・・・今までの自分の指導法には間違いがあるかもしれない。信じてやってきたつもりだけど、この調子では、間違っていることもあるかもしれない。できたらほめられたいではないか!(本当は、ほめられたら講座は必要ないけど)そ、それに、ただでさえ批判されるのは怖い上、フランス語が、きちんと人前で話せないではないか。

1年目は「次回こそやるぞ」「来週こそやらなきゃ」「いやまず先輩を観察してから」「まあ先生に指摘されたら」「来週にしよ」

・・・・・・・との気持ちとのたたかいでした。毎回、そんな自分がイヤになって帰りました。自己嫌悪。

でも、人の模擬レッスンをきちんと理解するだけで、たいへん・・・

 

一年間の自己嫌悪が続きました。自己嫌悪自己嫌悪自己嫌悪自己嫌悪自己嫌悪自己嫌悪自己嫌悪自己嫌悪

とりあえず勉強するだけで、試験受けなくてもいいじゃないか、と思ったら、少し楽になりました。

 

 

音楽分析もありました。ただし、日本の音大でやってきたこととは全然違いました。日本の授業ではピアノソナタの分析をしたことを覚えていますが、和音記号をつけていき、どこで転調するとか、ここは何調とか、テーマがどこでどう出てくるとか、全体の構成とか・・・ひたすら楽器音楽の分析でした。しかし今回の相手は「声楽の」楽譜の分析。日本ではやった覚えがありません。歌詞のことも考慮に入れなければならない。そのかわり、あまり和音の追求をせずにすんだので、楽かりました。歌曲に限らず、オペラの曲の可能性もあるし、ルネサンスの4声部の曲を分析したこともあります。理想としては、作曲者の名前も分からない状態でも、大体の時代、国、音楽のスタイルをみつけねばならない。・・・というのです。ギャー

なれてくると、歌詞がどうのこうの・・・と、適当に理屈をつけて、分析したようなつもりになってきました。それに、なんといっても、分析の目的は、「教えるため」にあります。「分析の為の分析」ではないのです。

 

途中には「声の専門」の医者の集中講座があります。それがなんといっても役にたちました。もちろんこれも、最初わけがわからず、1年目も2年目も出席した次第です。本も買いました。買ってしまいました。一応、楽譜屋で、楽譜の隣で売られていた「声のための本」ですが、医学用語解剖用語が出てきます。そんなもん、日本語でも覚えられないんだから・・・フランス語でおぼわるわけがないわい。分厚くて、読む気にもなりません。

目を通し始めたのは2年目にはいってからでした。また、目からうろこでした。今でも座右の書です。というか、忘れたり読みきれなかったりしています。もちろん、細かい名前は未だに覚えていません。

 

声楽の個人レッスンは、人気があって早い者勝ち。時間に限りがあるので、時々参加しました。先生も「声楽教師を育て」ていらしたベテランです。その先生による他の人のレッスンを見るのも、とても参考になります。人のレッスン見学は、私は大好きです。ただし、誰にでも必要な共通する指導もあり、そのときのその人に必要な指導点、というのもあるので、それは見極める必要があります。

レッスンは、理屈だけではできない。しかし、理屈は知っておかねばならない。というか、知っておいたほうがいい。ただ、理屈を述べ立てても、それが、生徒の役に立つとは限らない。楽しいやり方で、からだに覚えさせていかねばならないから、いろんな体操みたいなものを知るということも、役に立ちます。

 

お隣のドイツで留学された方の講義を見学したことがあります。体の運動については、大変大変細かく、部分的にこなしていきます。たまたま私が目にしたのがそういう流派だったのかもしれませんが。とりあえず、フランスでの講習では、そこまでこまかーく、ということはぜんぜんなく、役に立ちそうないろんな動きを紹介されました。その辺が、フランスとドイツの違う所かしら?

ドイツはおそらく音楽大学で、さまざまな形で余裕を持ったカリキュラムがとられている。ですから、音楽専門学校のフランスとの違いが、そこで大いに出るのかもしれません。何かと分けるのが好きなフランスですが、これにかけては、ドイツほどわけてはいません。

 

また、もうクラシックの流行らない時流なので(?)専門家になりたい人だけがレッスンを受けるわけではない、という前提で、グループや子供相手仮定のレッスンも勉強しました。習ったことのみを覚えていくのではなく、自分で思いついたことも、どんどん歓迎、という感じです。こういうのは私向きだったかな?

アレクサンダー・テクニックのグループレッスンもありました。すでに、個人でレッスンを受けたことがあるのですが、グループでやると、ふたりくみでやれることがあるので、さらにおもしろくなるのです。

 

一般的なコンセルバトワールでの個人レッスンは、30分から45分といった所。余程進んだレベルでなければ1時間レッスンになりません。(あるのでしょうか?)残念ながら、その中で発声の基礎、発音、音楽的な指導をこなしていかねばならない。わずかな時間に、少しでも前進せねば!という感じでしょうか。模擬レッスンでは、少しでも「何かを数分で、その場で変えることが目標でした。30分のレッスンはあっという間にすぎますが、できることはあるのだ、と実感しました。

 

悶々と1年目を過ごしました。2年目にはちょっぴり落ち着いてきました。他に、初見のクラスにも参加しました。

初見は、比較的得意分野なのですが、他の受講生とも会えるし、担当の先生がどんな曲を持ってくるかも、みたかったのです。

 

 

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