ミュージカル

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 ミュージカル2

〜今までに見たフランスの(数少ない)舞台〜

 

 

ミュージカルを忘れたつもりでいたころ、上演が始まったのは「パリのノートルダム」

ユーゴーのノートルダムのせむしオトコです。大ヒットしていました。

宣伝は見たものの、なんだか気に入らない。なんだろう? と、結局みないままでいました。

そこへやってきた、アメリカからの舞台。

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1.シカゴ、ヘアー

2.生オケの魅力

3.舞台の感想

4.アンドリュウ・ウエッバーとティム・ライス

5.よその国、よその劇場

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シカゴ、ヘアー

カナダのフランス語圏、ケベックでフランス語上演された「シカゴ」が、フランスまで来ました。(仏語詞をつけたのは、フランス人という話です。)はじめてフランスでミュージカルを見ました。 同じ頃、ブロードウエイキャストだという「ヘアー」も来たのです。

 

シカゴは、有名な大きなミュージックホールで公演されていましたが、なんとも席が空いている。庶民感覚でいうと、結構値段が高かったので(3人分ですし)、2階席の安めの席を前買いしました。(日本と違い、前でも当日でも値段は変わりません)日本の大ホールよりは、小さいでしょうから、2階でも見る分にはいいだろうと思ったのです。それが当日行ってみると、1ランク上の席に座ることが出来ました。売れ残った席があるので、当日、先に来た人から埋めていってしまう形なのです。なるほど、と感心するとともに、やっぱり、ホンモノのミュージカルって,フランスじゃ人気あらへんのかあ〜

と、がくっときました。長期公演とはいえ・・・(なお、オペラでは席を詰めることはないと思います)

ヘアーも同じでした。これは、結構広いホールで。また1ランク上の席。早いもん勝ち!!!

 

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生オケの魅力

この二つの舞台の共通点は、生オーケストラだったこと。シカゴは強いて言うなればビッグバンド、ヘアーは、うーん、ドラム、ギターベースに管楽器っだから、ロックバンド+管。

しかもどちらも舞台の上に配置!ゴージャス!

シカゴは、場所の設定がすでに“クラブ”で、舞台後方、中央には階段があり、その両側に、アップライトピアノ2台つきのバンドが配置されていました。おもな舞台は、その前で。ヘアーは、日本の工場現場に組み立てる鉄材で組み立てたようなシンプルな構造でした。両脇に、バンドがはいっています。高校の学祭で、よく使ったものですね、この足組み・・・

 

これは、フランスのミュージカルと違うところです。そう、フランスのナントカは・・・みな、カラオケだったのです。

となると、生で歌っていたのかどうかも怪しいぞ。

 

まあ、日本でもバックの音楽はカラオケ主流でした。それはツアーに備えてのこと・・・とでも言いましょうか。たいてい、めまぐるしい全国公演があるんですから。

しかし、ここは、音楽・演奏の本場かと思っていたフランス・・・またまた、がっくりでした・・・

 

残念なことに、ムーランルージュや、リドといった、いわゆる「キャバレー」、

フランスのレビューを見せる劇場も、もう生オーケストラがないと聞きます。

演奏家の仕事の場が、どんどんなくなっています。

 

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舞台の感想

シカゴもヘアーも、素晴らしかったです。なんといっても、隙がないのです。

 

シカゴは調べてみると、すでに古めのミュージカルでした。近年、映画化されていた作品です。映画での編曲は、ダニエル・エルフマンでした、なんと!? ティム・バートン監督&ジョニー・デップ出演では、よく音楽監督している作曲家です。シカゴは、映画が出た頃には興味がなく、舞台をみてからDVDを購入しました。まあ、歌詞のように「コレがジャズ!」とはいきませんが、それなりにかっこいい〜(あれジャズではないですね)それに、カナダキャストの皆様方、びしーっと踊って歌って、芝居が出来る!!! テレビではコミック(お笑い)番組で有名なカナダ人も歌も演技も、もう、とてもうまい・・・

 

カナダは、アメリカ文化と共通した所もあるのだと思います。「ミュージカルのプロフェッショナル」でした。

DVDは後で見ましたが、この女優さんたちも有名な人々だった・・・ああ、もう才能のあるひとは、有り余るものなのですね!!!もう!!!

 

ヘアーでは、仏語でセリフを話してくれていましたが、よくわからんかったでも、なまってて、かわいかったです。

この作品は20年前から気になっていて、でも日本では見る機会がなかった作品です。フランスへ来た頃、映画館上映をみつけ、とうとう見ることができました。筋はよくわからなくて、でも悲しくて、その後ビデオなどで見直していました。(映画では、とても上手にシナリオを作ってありますが、その分ややこしくって。)だから、上演がわかったときには値段がいくらであっても行く!と決めてていたのです。そのわりに、値段を見てひるみましたが。

映画でも涙ぼろぼろでしたが、生となるとまた生の舞台の迫力で、頭痛がするほど感激しました。もう音が大きくて。途中、ドイツ公演でのライブ録音のCDを売っていたので、躊躇数秒後に、連れの同意を確認し、購入。何度も聞きましたが、ライブだろうとなんだろうと、カンペキなのです。ちなみに、ポスター・Tシャツ・出演者のソロCDは売っていましたが、パンフレットなどはありませんでした。これじゃキャストが誰だかわからないよ!?

 

こちらは若手ばかり?皆がヒッピーで、常に飛び跳ねている人間が必要だから、仕方ないのかな。若者の話だし。ものすっごく踊っていた、という印象はあまりなかったかもしれません。でもね、こういう人の歌声の力って、すごい。ちゃんと歌っている内容がわかってて、心があるので、とにかく「つよい」。下手だったと言う意味では、ぜんぜんありません。また、中にはすごいソプラニスト(男性の裏声のソプラノ)もいましたし、高音の高音を出すコーラスの女の子もいました。クラシックを勉強していたなら、夜の女王を歌うくらい高い声。基礎がしっかりしている、ということですね。(実は映画でも、ずーっと高音で歌っている人がいたので気になっていました。)

 

「ヘアー」は、1968年に作られました。音楽史上、初のロック・ミュージカルということになっています。

今回の宣伝はラブ&ロックミュージカル。LOVE & ROCK MUSICAL

音が大きくて頭ガンガンでしたが、アンコールの時には、舞台の近くまでかけおりて見に行ってしまいました。ロックコンサートじゃないって。

 

 

「ロックミュージカル」が出てきた頃は、マイクを握ってうたう舞台でした。「ジーザス・・・」も1971年生まれ、同じでした。初演当時は「マイクロフォン」を手に握ってうたう写真が出ています。劇団四季の公演も、手にマイクを握っていました。コーラス(合唱、コロス)にはマイクはありませんから、あの群集は、激しく踊らなくてはならない上、舞台前面にじょうずに近づいて、その常設マイクに声を拾わせなくてはいけないのです。

いつのころからか、だんだんマイクが改良され、どんどん小さくなりました。現在ではどんな舞台でもマイクをつかうのが当然のような感じ・・・声の基本を忘れていないかい?

 

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アンドリュウ・ウエッバーとティム・ライス

私は、要は「ロックミュージカル」に魅了されたといっても良いでしょう。多くの作品をみていないのに、です。アメリカに留学していた友人が送ってくれたカセットが、きっかけだったんじゃないか、と思います。アンドリュウ・ウエッバー作曲とティム・ライス作詞のコンビによる、「ジーザズクライストスーパースター」及び「エヴィータ」が大好きなのですが、その特徴は、音楽が途切れなく流れ、セリフがないという点です。音楽にも、もちろん迫力があります。

 

私は、このアンドリュウ・ロイド・ウエーバーとティム・ライスのコンビ作品がとにかく好きです。(ジーザスクライストスーパースター、エヴィータ、そしてあまり知られていないが、ヨゼフと七色のマント)しかし、その後は、別々に活動し、ティム・ライスは「チェス」のテキストを、ウエーバーは「オペラ座の怪人」「キャッツ」など作曲しています。ティム・ライスは、フランスのミュージカル「スターマニア」に英語詞をつけているのですが、コレが、大変良いのです。直訳にとらわれず、のびのびして仏語よりずっといいです。

「オペラ座の怪人」のいくつかの歌を英語で歌ったときには、詞はあまりおもしろいとは思いませんでした。曲は要領よくできいているですが・・・「ジーザズ」及び「エヴィータ」にひきつけられた、あれは、ティム・ライスのちからだったのでしょうか・・・。

 

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よその国、よその劇場

これは推測でしかありませんが、フランスの周りの国々のミュージカルは、おもしろそうだと思うのです。国立ジャズオーケストラもあるという、ドイツ。小中学校でも音楽の授業があるそうです。フランスは基本的にありません。フラメンコ本場のスペイン。サルスエラは、スペインで発達したと言う舞台芸術。スペイン制作の、舞台学校を舞台にしたテレビドラマがフランスでも放映されているのですが、これが、出演者自身がきっちり踊っているのです。(歌は下手な子もいるけど、うまい子もいる)吹き替えではなく、そりゃあもう、きっちりと、踊れています。気持ちいいです。街角に、かつて見たミュージカルのポスターが写っていましたし、毎回かならず2回は流れるダンスシーンでは、一度「ジーザスクライスト」のワンシーンがあり、ぞくぞくしました。あとから聞きましたが、バルセロナと、マドリッドで、(どちらがどちらか忘れてしまいましたが)、一方はオペラが、一方はミュージカルが盛んらしいです。

 

なお、「ジーザスクライスト」は、フランスでの上演についてはよくわかりません。できなかったのではないか、と勝手に思っています。あるいは、あったかもしれないが、とっとと終わったとか? (カトリックの国ですから。)数年前にイタリアでやる、という宣伝をネットで見ました。イタリア語上演!見に行けばよかったかしら。そういえば日本上演の時も、宗教団体が文句をつけに、会場前まで来ていたのを見ました。

 

それはともかく、きっとフランスの何かが違うんです。ここはシャンソンの国。踊りならクラシックバレエ、「オペラ座」があります。

とはいえ、なんにつけても「分業制」の国だから、きっと「三拍子」できる俳優は珍しいんでしょう・・・

 

というわけで、勝手にフランスのミュージカルを語る

ミュージカル3〜フランスのミュージカルについて〜につづく

 

雑歌屋もくじ

 

zakkayapapy@hotmail.com

 

 

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