声について書く
声についてかこう・・・と思うのですが、どうもキーが進みません。あちこちでみかけることは、いろいろちがったりして、間違った事柄もあります。そんな中、100パーセント間違っていないことをかけるだろうか? と、いつもいつも思います。書けないでしょうね。
さあ、どうでるか・・・・あれこれ迷いましたが、やってみます。(害がなさそうな事だけ)
ここに書きおくことは、私が発明したことではありません。一応の基本は、読んだ本の受け売りです。(きちんと読めているか、そこが問題です。)もし、間違ったことがあればおいおい訂正いたします。
クラシック、西洋発声を基本としたことに限ります。ただし、クラシック歌唱のみに関したことという意味ではありません。シャンソン、カンツォーネ、ポップス、ジャズ、歌謡曲等を含みます。
専門の人にしか通じない言葉もあるかも知れませんが、ご了承下さい。
なお、無断掲載を堅くお断りします。
ご質問は、掲示板あるいはメールにて、お願いいたします。
ビブラート 音域 言葉をはっきり 話声と裏声 胸式呼吸と腹式呼吸
ビブラート〜ビブラートは、よい発声の結果〜
ビブラートとは、作って“つける”ものではありません。練習してつけるものでも、ありません。
自然に声が出たら、勝手についてくるものです。良い発声の結果です。
ビブラートにも、良い理想的なビブラートと、悪い“取ってつけたような”ビブラートがあります。「悪い」というのは、“不自然”なビブラートや、音程が分からないほどのビブラートです。この場合、ビブラートがあっても、発声の仕方に、問題があるということになります。
ビブラートは、声帯の、とてもややこやしい動きの結果とかその他、とにかくややこしいものらしい。
声帯の動きには、医学的にいまもなお様々な説があり、結論としては完全には定義付けられていない模様です。
小さな子供が声を出すと、幼児であっても、ビブラートはあります。自然体の結果です。また管楽器奏者が正しく息を出している場合、それはここちよいビブラートとなります。
日本の場合、こぶしが文化・歴史としてありますので、ビブラートとこぶしがごっちゃになり、ときに勘違いされているのではないか、と私は思います。これは、声の用い方のコンセプトの違い、文化の違いですので、ここでは検討しません。
私がのべているのは、いわゆる西洋発声?というか、体の自然な状態から出てくる声の使い方です。
しかし、日本だけではなく、フランスの声の指導の本でも、二つの音を歌いながら練習せよ、というものがあり、青くなりました。
もしかしたら、国際テキな勘違いなのかもしれません。
これについては、まず、人それぞれ。“持ち物”がまず、人それぞれだし、伸びる可能性もそれぞれです。
半音でも高い音を出すことに夢中になっている人もいるのですが、まずは、できる音域で歌うレパートリーを増やすことが、懸命ではありませんか?
身長は、伸ばそうと思っても伸びないもの。でも、姿勢をよくすることを知っていたら、より大きく見えるもの。
また、女性の場合、シャンソンやカンツォーネなどで、胸声のみでレパートリーを作っているかたもいらっしゃいます。使える胸声そのものの範囲が広ければよいのですが、そうでない場合は、いつもいつも、調を低くかえて、全体的に低い音ばかりでうたってしまうことになり、結果、レパートリーが限られてしまうことにもなりがちです。また、曲によってはやむを得ず1、2音だけ裏声で歌わざるをえず、その音だけ頼りない裏声になっている場合もあります。
「裏声」の練習は、最初はこころもとないかもしれません。しかし、プラスになることがたくさんありますので、ぜひ、(すぐにレパートリーにつかわなくても)裏声の勉強も合わせてなされることをお勧めします。誰にでも可能性はあります。
喉頭を下げる必要はありません。
「ノドを広げる」をノド仏(喉頭)を無理に下げることと理解していると、ノドや首やあごなどの筋肉に余分な力がかかり、声が自然に出るのを妨げます。あくびをすると、ノド仏は自然に下がります。下げるものではなく、下がるものなのです。
無理に「開けて」スペースを作ろうとすると、受けアゴになったりして声がこもります。実際、受け口状態にさせてこもった声を出させる先生もいます。自分では深い声が出ているような気がします。しかしそれは錯覚(錯聴?)です。要はこもった声ですので、自分には聞こえても、遠くへは届かない声になります。
同様に、でっかい口をあけなくとも、音が響くことのできる必要なスペースが口の中にあれば、音がでます。でも、出口としての唇は、最低限開いていた方が,出るものが出ます・・・
むやみに口を動かせば言葉がはっきり聞こえるとは限らない。
ことばをはっきりと、という指導の結果、実はほほや、あごの筋肉をやたら動かしているケースがあります。ゆるんでいるならまだ良いのですが、顔をひっぱることで余分な力が入っていたら、これまた声が自由に飛べなくなります。結果として、一生懸命に口を動かしている割には、ことばがわかりません。なお、子音より、母音の流れに気をつけます。子音だけでは歌は歌えません。でも、母音だけでも歌えませんね。
話し声(胸声)と、いわゆる裏声のちがい
生理学的にいうと、ノド仏の傾きその他が、微妙にちがうそうです。中間の“ミックス”の場合も、また違うそうです。
胸声と、裏声を滑らかにつなぐのが難しいのは、その筋肉の動きをからだに覚えてもらわねばならないからです。喉頭は筋肉で、ぶら下がっています。いるそうです。ですから、本来、微妙な動きに対応できるものなのです。できるだけ、喉頭は自由にさせておいた方がよいというものです。
胸式呼吸と腹式呼吸
日本人女性に胸式が多い、というらしいですが、根拠があるのかどうかは、知りません。本当かなあ?
呼吸の基本の「息を吸う」ということは、もともと、まず横隔膜が下がる為、肺が真空ポンプ状態となり、結果として「空気を呼び込む」、肺の中へ引っ張り込む、ということだそうです。おなかとか肺を広げるから横隔膜が下がる・・・、のではない、ということです。
腹式の方がよい、というのは、胸が上がってしまう胸式だと、胸も肩も上がり、横隔膜のコントロールがしにくいからです。また肺活量が多い方がいい、と思われるかもしれまんせんが、長く歌うことだけが、良い歌手の条件ではありません。息のコントロールが出来るかどうか、の方が大切です。
なお、歌の時の呼吸法は、普段の生活の中での呼吸とは、ちがうものです。
声を使わない呼吸法のみを練習するのは助けになりますが、うたうときの呼吸の使い方は、
ちがうものです。
まず、実際には触れない、「手では感じられないもの」です。
意識しなければ、勝手に働いています。死ぬまで動いています。うすくて、なかなか破れない筋肉なのだそうです。ナンカみたい。
肺の下にパラシュート状に、体の内まわりに、全部くっついているそうです。(見たことないもん)
直接コントロールできないので、おなか周りに手をあてたりして、その後近所さんの筋肉から、コントロールをさがします。
歌手にとって意味があるのは、おなかの横・ナナメの筋肉だそうです。つまり、よくある「前の腹筋を鍛える」腹筋体操は、体のラインを保つのにはとてもよろしいのですが、歌には使い道がないそうです。ここに力が入るようでしたら、声がちぢこみ、声が堅くなります。
おなかは無理にひっこめず、歌うときは、たるむに任せるのが良いのだそうです。でも、私は腹筋しなくちゃ・・・
声は頭に響くのか
頭の中にはふつう空間はないので、コレは、言葉のあやです。イメージです。頭には全くスペースがないと思います。あったら、病院へ行かねば・・・
なお、鼻もスペースとしては小さいもの。胸・頭・鼻・顔、など「声が共鳴する」場所がいろいろあるとわれますが、これらは、骨を伝って振動が伝わっているということで、“空間に”「響いている」のではないそうです。
ただ、「共鳴」「響き」といった日本語は、ある意味、混乱しいやすいことばのようですね。
日本語では、心が、“共鳴”しちゃったりしますから。伝わる、のと同じ意味ですものね。繰り返しちゃった、“伝わる”。
実際に声が響く「空間」は、息が出てくるあたりと、口の中という、とても小さなスペースなのだそうです。ここで、母音がつくられるのです。
胸を広げて保つ必要があるのか
この動作の為に、筋肉がつかわれるため、これまた余分な緊張となります。
いわゆる良い姿勢で、背中がかたくなければ、肋骨はすでに充分広がっています。猫背でなければ、よいのです。胸を広げて保つのは、おなかが引っ込んでしまうので、おなかの緊張も引き起こし、全く役に立ちません。からだを使ってうたっているような錯覚は、もてますので、筋肉が疲れ、練習したような気になったり、うまくなったような錯覚をもてます。
・・・これは、実体験に基づいております。
息を送り込む肺関係/音の元である、喉頭のまわり/
声を響かせることのできるわずかなスペース、くち
のバランスがよいと、良い声がでる・・・可能性があります。
SOS VOIX Yael Benzaquen著
Une voix pour tous (出版Solal)
The structure of singing (Richard
Miller) (永遠に読書中)
アレクサンダーテクニック関係:
音楽家なら誰でも知っておきたい「体」のこと/
音楽家なら誰でも知っておきたい「呼吸」のこと
(誠信書房)
とりあえず、今のところここまで。不明な点、ご質問は、掲示板・メールでお願いいたします。
2005年11月30日