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ヘアー!!!

 

 

 

 

 

ジャズと私

 

ジャズに出会ったのはフランスへ来てから。それまでは?うーん、山下洋輔さんとか、名前を知っていただけで、“ジャズ”を本当に知っていたか?というと、はい、とはとても言えません。今でも言えないかも知れないけど・・・

だいたい私は、古楽・バロック音楽の勉強にフランスに来たのです。しかし私はジャズピアニストにも出会いました。うーん、興味が出ないわけがない。(というか、ジャズなんて知らない、といいたくなかっただけかもしれない)

それに、バロック音楽とジャズの間には「即興演奏」という共通点があります。

今となってはそういいきって良いものかどうか、ちょっぴり口が淀むのですが、でも間違いではない、ということにしておきましょう。ただし、100パーセント“同じ内容の”即興ではありません。

 

そして、特にジャズを“勉強”したわけではありませんが、いつの間にか、聞く耳ができてしまった?という感じです。毎日毎日、10年以上、いろんな演奏家のCDを聞かされていたら、あれです、「門前の小僧、習わぬ経を・・・」なんです。

 

しかし、「声」に関しては・・・・?

私はクラシックの発声を勉強をしてきたので、“オペラ声”でジャズをうたっても気持ち悪いと思うのです。

ガーシュインは、もともとオペラみたいなもんだけれど、スイングしない音楽。ガーシュインを歌うなら、クラシックのままを選びます。

皆さんのジャズヴォーカルのイメージって、どんなものなのでしょう? たくさん歌手がいるので好みも分かれるでしょう。

私は「でかい声!高音!即興!!私の早業を聞け!」という演奏は、だめです。その中には売れている有名な歌手も入っているでしょうが、私は苦手です。やたらビブラートがかかる歌手も避けたいです。その逆も、きゅうくつです。ンな勝手な。

 

名前をあげますと「ブロッサム・デアリーBlossom Dearie」が一番大好き!!!!!女の子が生まれたら、その名前をもらうつもりでした(^_^;)

ピアノを弾きながらうたうおばあちゃま、ピアノもとてもうまいのです。(NYで、人におごらせて聞きにいくことができました。感激!!!)

日本ではたくさんCDが出ているので、日本へ行った際に買い込みました。ちなみに、フランスでのジャズCD欄はなんというか・・・日本からの輸入版がたくさんあるくらいです・・・高いです・・・

 

何故この人が好きなのかという理由です。

「ジャズといえば即興」・・・だと思っていましたが、彼女は、歌の即興はしません。弾き語りで、ピアノの即興はします。しかし、何をしても「必要最低限」という感じで、音が少ない。もう、それで充分なのです。無駄には、お喋りしないのです。歌のほうは、歌詞がありますから、その歌詞の表現が全部、言葉によってなされています。メロディである「音」も、別に原譜どおりではありませんが、多すぎず少なからず、選び抜かれて決まった、という感じです。

 

彼女を知ってから、“ジャズ原語”でメロディー・テキストをきちんを表現するだけで充分、これをやれればいいなあ、と思いました。無駄を省いた演奏・・・お喋りすぎない演奏・・・たくさんの音符にごまかされない演奏・・・

 

個人的なジャズの“条件”の一つは、スイングしたほうがいい、ということ。おもしろいアレンジでも、スイングしてないと、ダメということに・・・これは、でも、バッハなどの名演奏では、感じます。アルゲリッチのアンコールでのバッハがよかったこと。

スイングし、グルーブ感のあるクラシック作品の演奏も、やはり気持ちのよいものです。

ジャズ原語なんて、わけのわからないことを書いてしまいましたが・・・このあたりは、まだ字では説明できません、あしからず。(原語=ランゲージ、という英語を思い浮かべています。)

 

フランスで生活する間にエイゴをすっかり忘れ、しかも発音もできなくなってしまいました。本当に、アノ義務教育の6年間はいずこへ!?というかっこわるさ。でも、フランスにはなぜかフレンチジャズがある。(20世紀始めにジャズが発達したのには、当時のフランスクラシック音楽の影響もある、と言います。)フランス語で歌えるジャズだから、英語を操るよりは、楽です。きちんとした作品は、たのしい。なぜか、シャンソンで有名なシャルル・トレネの作品にも、数曲。「枯葉」も、もともとはシャンソン出身のジャズナンバーです。もうみーんなが弾いてるけど。そして、ヌガロ NOUGAROは、典型的なフレンチジャズといっていいでしょう。

これなら、エイゴの発音を気にしなくても歌えるノダ。でもスイングしなくちゃいけない。ううん・・

ただ、中には“ジャジー”(ジャズっぽい、安っぽいまねもの)だけのものもあるので要注意です。

 

あとはフレージング。フレーズの運び方。言い換えると、メロディのセンスのいい崩し方、とでも言うのかな?実はメロディの問題ではなくて、テキストを完全にものにしたら、なんとかなるかもしれないもの。ずらしたり、遅らせたり、音を変えたり。言葉を操れていないと、難しいものです。

 

楽譜の好きな私は、ジャズも楽譜から入ります。音符はかんたん(たいていは)。ただしそのままきっちり歌うと、かっこ悪いことが多い。フレージングを上手にするには、まず、歌詞を読んで読んで・・・。

 

ここでの“フレージング”は、譜面を全く尊重しないようなものですから、クラシック歌手にとっては、ちがう世界。でも、クラシックでも、単に譜面どおり音に表すのみならず、その先の作業として、(音は崩さないとしても)歌詞の表現としては、似たような作業はあると思います。

 

私はクラシックには子供の頃から(少なからず)接し、ジャズには完全に大人になってから出会った・・・と思っていたのですが、親の世代は、おそらくワタナベプロのウマい歌手の全盛時代。セミクラシック、といわれる歌手が多くいたのではないでしょうか。子供の頃、家でどんな音楽をきいていたのか、小学校高学年の頃のフォークは思い出せるのですが、その前は不明です。歌謡曲は聞いていました。実家にジャズ歌集、と言う古い本をみつけました。ジャズでもなんでもなく、当時のアメリカ洋曲ヒット集だったようです。きっと、ほんのちょっぴり、ジャズには縁があったのだ・・・と思います。なお、なぜナベプロの話になるかといいますと、日本から帰る飛行機の中で、聞き放題だったのです。あの人が!?あの歌手が!?こんなに上手だったなんて、こんなジャズをちゃんとうたっていたなんて・・・英語もうまいし 。(ザ・ピーナッツなども入っていました。)としみじみ思ったのです。新鮮な発見でした。

 

実際にジャズの世界に飛び込んで歌ってみた、クリスティアンヌ・ルグランのレッスンでは「声が大きすぎ」と、しょっちゅう叱られました。熱中するとつい私もでかい声と高い声に走る・・・そう、それにマイクの使い方も知らなかったしね。

 

うたは、「声」ではなく、テキスト、歌詞なんだなあ・・・と、おもいました。

 

そうそう、どこがバロック音楽と関係あるのか?というと・・・ハーモニーを守ったまま、音形を変えて歌う、という点では共通かもしれません。

バロック時代、たとえばヘンデルのABA形式のアリアというのは、Aにもどったとき、できるだけ飾り立てて歌うのがお約束だったようです。でなければ同じことのくりかえしで、つまらないし、当時の歌手はそこで、自分の技を聞かせまくったわけです。それが目的で繰り返したのです。(映画ファリネリが参考になると思います)

でも結局は、ジャズの方がずっと自由・・・かな? ハーモニーを守らなくてはならないということもありません。小節数のパターンさえ守っていれば、何回繰り返してもいいとか・・・組み立ては、演奏者次第ですから、やりかた次第で、いろんなことをできるジャンルです。

 

煙のあるところが絶対いやなので、ジャズ倶楽部へもたちよらないような私ですが、好きな歌い方を探して行きたいと思います。

 

★かれこれ5年・・・フランスは、公共の場、テラス席を除くカフエは禁煙となりました!(2010年)

 

 

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