留学生活2 国公立音楽学校
コンセルバトワール
略してコンバト、とも日本人留学生の間では言います。この言葉には、フランス語としては、「音楽」の意味はありません。「音楽の」コンセルバトワールがあり、「演劇の」コンセルバトワール」があり、「ダンスの」コンセルバトワールがあり・・・
音楽の場合、ecole de musique、つまり「音楽の学校」という名がつくところもあります。そこに愛称のような感じで「なんとかコンセルバトワール」と、主に作曲家の名前が平行して書かれていることもあります。
これらの学校は、国、地方、各都市、区など、さまざまな形で援助を受けていますので、学費は有料であってもあまり高くはありません。
★追記★この記事を書いてから、いくつかの音楽学校がまとまり、名称も変わってきました。機会があれば追記いたします。(2010年10月)
国立高等音楽学校(パリ、リヨン)
Conservatoire National Superieur de Musique de Paris/Lyon
国立の高等音楽学校は二つ、パリとリヨンにあります。 クラシックダンスも併設されており、オペラ座で踊る子供ダンサーは、パリのこの学校で育ちます。
学校の特徴は、その名superieurのとおり「高等レベル」ということ。競争率が高く、入るのも出るのも大変です。年齢制限(最低年齢と最高)があり、ピアノ科、フルートなどは、日本の大学を出てからではもう受験も遅いということです。
ここでの入学審査試験は、かなり前倒し。費用は国が持ちます。
CNR
地方国立音楽学校
Conservatoire National Regional
各地方にある、国と各地方が費用を援助している学校です。パリの他、大き目の都市にもたいていあります。
市立と訳されることもありますが、直訳は、地方の国立校です。
さて、“コンバト”がこれだけしかないのか、というと、さにあらず。音楽学校は、国内中にたくさんあります。音楽のみではなく、演劇、クラシックダンスなどのクラスもあります。
たとえばパリ市内には、各区に公立音楽学校があります。市の中心部のみ、小さい各区が数区集まってひとつの学校になっており、おもしろいことに繁華街にあります。同様に、パリを一歩出ると、大きな市にはCNRが、(たとえばブーローニュ、ヴェルサイユなど)、また小さい市では、名称の違う公立音楽学校がある、という具合です。
年齢制限の有無は、学校によって異なります。これは各行政区により、学校の規模が違い、受け入れる生徒数がちがうからです。授業料、科目、レベル、年齢など、学校によって異なります。その学校のある市の住民の学費が一番安く、市外から通う場合はそれより高い、という値段設定もありです。これは、学校が各市の援助で経営されていることによります。住民税金もおそらくその援助金に含まれていることを思えば、理屈でしょう。(日本の公立大学でも、そういう値段設定をみたことがあります)外人はさらに高い、という学校(市)もあります。差別のように思われるかもしれませんが、税金を払っていないという意味からは、筋が通っていると思います。
さて、それより小さい村の場合はわかりませんが、たいていどこかに何らかの形で音楽を行う施設はあります。ただし、長期滞在についての許可に必要な書類を出す体制が整っているかどうかは各校で対応が違うようですので、事前に必ずコンタクトをとりましょう。